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お薬と言うもの   

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薬の勉強を始めたのは大学に入ってからだからもう30年以上が経過する。

素人の人は皆そうであり私も最初そうであったが、世の中に薬と言うすばらしいものが別途存在しているようにとらまえる。

世の中に薬という別途いいものがある訳ではなく、たとえば現代薬はそのほとんどが人間には異物の化学物質である。

つまりもともと薬と言うものではなく、人間に有害な作用よりも有益な作用がある化学物質を薬と称しているのである。

薬事法上では薬(医薬品)を「人や動物の病気の診断、治療、予防に使用されることを目的としたもので機械や器具などでないもの」「人または動物の身体のしくみや働きに影響を及ぼすことを目的としたもので機械や器具でないもの」と定義している。

平たく言えば薬とは、人が病気の治療や痛みの軽減などの目的で使用する“もの”のことである。

ただし、この“もの”は単なるものではなく、正しい使用法(情報)が伴ってはじめて薬としての機能が発揮される。

製薬会社では通常は研究段階で化学物質を合成し、そのものが人間にとって有益かどうか有用性を判定する試験を開発段階で実施する。

有効性が安全性よりも高い、即ち有用性のあるものが薬として承認される。

面白いのは偽薬(プラセボ)という即ち何の作用もないものとの比較試験を実施するが、この偽薬(プラセボ)の有効性が結構高くまた副作用もあることである。

それをプラセボ効果と言うが、人間は信頼する医者など信頼した人からいい薬だと言われるとそれが偽薬(プラセボ)でも結構効くものなのである。

それは気持ちによって自律神経が刺激され、副腎皮質から万能薬と言われるステロイドが分泌されることからも理解が出来る。

人間精神的なものは大きいのである。

人間には本来自然治癒力が備わっており大概のものはその自然治癒力で治してしまう。

治療としてはその自然治癒力を上手く引き出してあげるのが、よい治療法なのである。

例えば、風邪の発熱時に解熱鎮痛剤を飲むのは、人間の自然治癒力の邪魔をしているようなものである。

高熱が続き過ぎ体力が低下し過ぎる場合以外は、解熱鎮痛剤は飲む必要はない。

またよく効く薬がよく売れるとは限らないのも薬の摩訶不思議なところである。

一番売れる薬とは、副作用がなく効果も無いものであるという。

いつまでも安心して処方できるし服用出来るからである。

薬、この摩訶不思議だが魅力あるものの勉強は、私のライフワークのひとつである。


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